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急成長するインドのスマホ市場の特殊事情がもたらすチャレンジ

by Sunny Bhasin on Dec 20, 2017

みなさま、ナマステ!AppLovin Japan のインド人枠で入社したサニーです(笑)。僕は普段 AppLovin でデベロッパー様のマネタイズをサポートをしていますが、今回は僕の父の故郷であるインドについて、ブログを書きました!

テクノロジーの進歩と共に成長するインドのスマホ市場ですが、その成長に伴って新旧のスマホユーザーの行動はどのように変わるでしょうか?今回は、インド市場の開拓を考えるデベロッパーやマーケターが、その特殊なユーザー嗜好と文化的特徴に関連して直面するかもしれない課題についてご紹介します。

 

人口動態の変化と特殊事情

現在、インドの典型的なスマホユーザーは都市部に住む若い男性が中心ですが、これが変わりつつあります。2020年までにはインドのネット利用者の半分が地方人口になり、その40%が女性、そして33%が35歳以上になる見通しです。この大部分の人々は、デスクトップを飛ばしていきなりスマホ経由でネット利用をスタートすることになります。こうした変化に伴ってインドのスマホアプリ市場も一変するでしょう。現地のスマホユーザーの取り込みや収益化にすでに取り組んでいるデベロッパーにとっては新たなチャレンジです。

インドのスマホは容量が少ない分(多くの場合16GB以下)、アプリはかなり効率的に動かなければなりません。たくさんのアプリをダウンロードすることはできませんが、ユーザーはこうした状況でやりくりする術を身に着けるようになっています。

Western Digital の調査によると、インドのユーザーの30%強がデバイスの容量を確保するためだけに、毎日アプリを削除しています。このためユーザーは圧縮バージョンをダウンロードしてローカルでインストールできる「プログレッシブウェブアプリ」を好みます。ユーザーが「常時接続」状態にあり、デベロッパーやマーケターがダイナミックにユーザーにリーチできる北米の環境とは全く異なります。

また、通信速度もかなり遅いのがインドの現状です。最近インドに行きましたが、低速通信環境に対応しているアプリを使っている人達をよく見かけました。例えば「Youtube Go」という YouTube アプリでは、プレビュー機能を使って動画再生を始めることなく内容を確認することができ、近距離共有機能を使って友人や家族の端末との間で動画を送受信できます。

では、いずれインドでも北米のようにアプリをダウンロードして使えるようになった場合、ユーザーは現在の行動を変えるのでしょうか?

 

プログレッシブウェブアプリを好む傾向は変わるのか

インドのユーザーがネイティブアプリよりもプログレッシブウェブアプリを好む傾向が変わるのかどうかは未知の世界です。

インドのユーザーの傾向はこのまま変わらないのでしょうか。または質の高い体験と低容量を実現できるハイブリッドアプリを選ぶようになるのでしょうか。インドユーザーの取り込みを図ろうとするデベロッパーにとっては重要な問題です。

インド最大手のeコマースサービス Flipkart は、国内ユーザーの特性を捉え、プログレッシブウェブアプリとブラウザベースの選択肢を提供しています。一方で欧米企業が、オムニチャネル化が遅れているインドのスマホ業界で、囲い込みのために必要な技術や資金を投入し続ける姿はあまり想像できません。できないと断言するわけではありませんが、必要な技術やインフラ、マーケティング戦略の規模を考えると、市場に参入できる前に諦めてしまう可能性があります。

これは非常にもったいないことです。ボストンコンサルティンググループ(BCG)が2017年に公表したスマホゲームユーザーに関するレポートによると、インドのユーザーのロイヤルティは非常に高いといいます。

BCG は、「モバイルゲームパブリッシャーは世界の4分の3の国で苦戦を強いられていますが、インドでのリテンション率(継続率)は高い傾向があります。課金ユーザーの獲得に関してもインドのパターンは他国と異なり、アプリのダウンロードから2週間後の継続率はインドで30.1%、世界の平均は24%になっています」と指摘します。

ネイティブアプリを使っているインドのユーザーの収益性は良好です。米調査会社 eMarketer によると、アプリ内広告の受けもかなり良いといいます。

「アプリプロモーション効果測定ツールを提供する TUNE の調査によると、回答者の半分以上(57%)がこれまでにゲーム内通貨などのインセンティブを獲得するためにゲーム内広告を見たと答えています。データのスピードが向上し、価格が低下すれば、動画などのリッチメディア広告がゲームで急増するはずです」と、eMarketer は語っています。

インドのモバイルインフラが発展すれば、ネイティブアプリの人気が出始めるでしょう。ただ、決済やセキュリティのほか、プライバシーや端末の使い方に関する文化的な特色を意識して柔軟に対応する必要は残ります。

 

インドのスマホ事情…決済、セキュリティ、端末共有

インドでは、家族で1台の端末を共有することは一般的です。したがって、アプリのロックなどのプライバシー管理機能が必須と考えられます。実際に僕の叔父と叔母も1台の端末を共有しています。また、子供が外出する時だけ、親の携帯電話を借りることが多くあります。

マーケティングのためのメッセージなどがターゲットのオーディエンスに届かない可能性が高く、パーソナル化も難しくなります。割安で品質の高い端末はこれから手に入れやすくなるはずですが、端末を共有する習慣が変わるとは言い切れません。

モバイル決済に関してもインドのユーザーの行動は特徴的です。テキストメッセージで送金をする習慣はすでに浸透していますが、実際にお金を受け取るのは一般的に ATM です。完全な電子取引で完了する欧米とは大きく異なります。

同じように、電子ウォレットを使って実店舗で支払いをする場合も、アプリが生成する PIN を購入場所の機械に入力するのが一般的です。これも欧米の方法とは異なります。

大躍進するインドのスマホ業界なら、こうしたわずかな違いはすぐにアップグレードすると思うかもしれませんが、こうした決済方法がインドで一般化しているため、スマホユーザーの間で信頼されているやり方なのです。4.68億人と推計されるスマホユーザーが現在信頼している決済方法を捨てて、2021年までに GooglePay やVenmo、PayPal のような決済方法に乗り換えるでしょうか?

 

未知の世界

インドは世界最大の移民送出国で、世界の20分の1の移民がインドで生まれています。米国だけで約200万人のインド移民がいます。インドのスマホユーザーの行動は進化していますが、その行動パターンを移民が世界に浸透させる可能性があります。

WeChatのメッセージングアプリが北米のモバイルショッピングの未来を変えつつあるように、アジアのスマホテクノロジーが業界を席巻する例もあります。同じようにインドのユーザーが世界中に広がって、独自の行動パターンが浸透する可能性もあります。

これに伴って欧米市場はどう変わり、スマホユーザーの行動パターンはどう変わるでしょうか?未知の世界をつかむためにも、インドのユーザーの変貌と世界のスマホユーザーの次の世代の動向は要注目です。

今後も AppLovin ブログでは、世界各国のスマホ事情に関してご紹介する予定なので、ぜひチェックしてください!

Sunny Bhasin|Manager, Business Development