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PG Connects Digital #4: 『Wordscapes』がLTVを40%向上させた方法と、ハイブリッド・マネタイズのトレンド

Amy Mills
12月 4, 2020

AppLovin は今年の Pocket Gamer Connects Digital #4 に招かれ、ゲームのユーザー獲得と収益化についてディスカッションを行いました。

最初のセッションでは、AppLovin パートナースタジオ PeopleFun の Chief Product and Analytics Officer を務める Carol Miu が、同社で最も人気のある人気ゲーム『Wordscapes』についての単独セッションを行いました。

2番目のセッションでは、AppLovin の Business Development Manager である Tony Deane をはじめとする、業界の収益化に精通したスペシャリストによるパネルディスカッションが行われました。議論は IAP(アプリ内課金)と広告マネタイズに焦点が当てられました。また、デベロッパーが行っているイノベーションへの新たなアプローチについても討論が行われました。

 

1シーズン13週間のトーナメントとボーナス装飾アイテム

『Wordscapes』 は、世界No. 1のモバイルワードゲームで、1日あたり500万人のアクティブユーザーを有しています。しかし、このゲームがスケール拡大のために執ってきた革新や変化は、一朝一夕のものではありませんでした。このゲームは誕生して3年が経ちますが、Carol は、ライブオプスを通してゲームの LTV(顧客生涯価値)を40%も大幅にアップさせるに至った裏話について詳しく語ってくれました。

まず、ユーザーエンゲージメントを高めるために実践した戦略のひとつが、13週間のトーナメントシーズンでした。その期間で、ゲーム内のボーナス装飾アイテムをテストし、以下のような要因がプレイヤーのエンゲージメントを高め、プレイヤーが飽きずに戻って来るということを発見しました:

 

  • 13週間という期間
  • シーズン中は達成ポイントをいつもより多めに贈呈する 
  • 進捗状況を追跡でき、達成ボーナスを表示したスコアボード
  • ボーナス装飾アイテムは、デザインに季節のテーマ(秋の鹿、春の花など)を設ける
  • 美しいアートワークとグラフィック 

 

トーナメントから学んだこと

Carol によると、重要な発見のひとつは、トーナメントのチームサイズを50人から100人に増やしたことで、エンゲージメントの程度に大きな違いが生じた点です。そのため、その後100人のチームサイズを維持することに決めました。

もうひとつの教訓は、様々なタイプのアプリ内イベントを作成する必要があるということでした。Carol の説明によると、「私たちは四六時中トーナメントを開催する事はできません。Wordscapes で、平日にトーナメントを試行してみたところ、初期の KPI は高かったのですが、時間が経つにつれてプレイヤーは同種のイベントが続く事に疲れてしまい、平日のトーナメントが週末のトーナメントの収益を食ってしまいました。」 そして、そういった理由から、「ステッカー収集イベント」が誕生したのです。

 

ステッカー収集イベント

ステッカー収集イベントは、Carol と PeopleFun の Design Director である Lee Eisenhuth が、スターバックスでコーヒーを飲みつつ、これまでと違った方法で平日にプレイヤーをゲームにエンゲージさせるにはどうしたらいいか、という雑談から生まれました。

5つのレベルごとに、プレイヤーはステッカー付きの賞品ボックスを収集できます。Carol は、こう説明します。「とてもキュートでユニークなステッカーで、プレイヤーが3つを集めるとアバターとして使用でき、スコアボードにも表示されます。すべてのステッカーを揃えていないと、何か物足りないと感じてしまうな UI のデザインにしています。」 

その結果は強力で、著しいものでした。Carol はこう指摘します。「このイベントを開始したことで、IAP と ARPDAU が改善しました。イベント当日には20%増加し、広告 ARPDAU も20%以上の増加を示しました。」 

 

Tony Deane とのセッション2:ハイブリッド収益化エコノミーでは価値が重要 

Fundamentally Games の Oscar Clark が主催した別のセッションでは、アプリ内課金と広告まマネタイズの価値について検討しました。パネリストたちは、デベロッパーによるイノベーションへの新たなアプローチや、どのようなトレンドに注目すべきかについて議論を行いました。

Tony Deane は、ユーザーのセグメンテーションを促進し、プレイヤーのライフサイクルを延ばして LTV 全体を成長させるための方法として、アプリ内課金と広告収益を組み合わせた「ハイブリッド収益化」の役割について説明しました。

「現在、モバイルゲームは山のようにありますが、ハイブリッド収益化のおかげでアナリティクスが活用でき、収益を最大化させるために考え得る最善の方法で広告を確実に統合することによって、LTV を成長させることができます。」 

 

動画リワード広告は、過去のトレンドなのか?

この質問をされた際、Tony はリワード広告は今でも有用であると回答し、「動画リワード広告を実装すること自体が、リテンションの向上やアプリ内課金の促進など、異なった様々な効果をもたらします」と述べました。

彼はまた、頻繁に表示されるディスプレイ広告は、ネガティブなユーザー体験を引き起こす可能性があるため、広告掲載の配置や広告パフォーマンスへの理解が重要であると付け加えました。

 

ここ数年でハイブリッド収益化はどのような進化を遂げており、この先どのようなイノベーションを起こしていくと考えますか?

アプリ内ビディングは、広告収益を改善する上で非常に重要です。アプリ内ビディングは、デベロッパーが広告インプレッションごとの収益を最大化できるだけでなく、手動のウォーターフォール形式による運用の手間を軽減し、時間を節約することができます。

これによってマネタイズ担当者やそのチームが、よりプロダクトに注力できるようになります。彼らは、より粒度の高い分析を行うことが可能になり、ユーザーのステージごとに以下に焦点を当てて分析が行えます:

 

  • 新しく革新的な広告掲載の方法
  • インタースティシャル広告など、広告を表示するタイミング
  • 動画リワード広告
  • アドフリークエンシーの最適化
  • 広告がユーザーに最適な体験を提供しているかの確認

 

ハイブリッドカジュアルゲームの果たす役割について

ハイブリッドカジュアルというジャンルについての議論のなかで、Tony はこう述べています。「このジャンルはモバイルゲームのなかでは比較的新しいスタイルで、ハイパーカジュアルゲームのシンプルさと、より洗練されたメカニックを組み合わせています。例えば、シンプルなコアループで、すぐさま遊び方がわかる一方で、より深いメタゲーム性や競争型のソーシャル機能などを取り入れたりしています。」 

このようなゲームを今まで経験してこなかったであろうプレイヤーにも、新たなジャンルを切り開くことができるため、重要となります。

 

学び、創造し、成長し、繰り返す

AppLovin チームは、ハイブリッド収益化を取り入れた新ジャンルのゲームと、ゲームデベロッパーたちがそこで生み出すイノベーションを目にするのを心待ちにしています。PGC Connects #4 に参加することで、当社チームも有意義な時間を過ごすことができました。

 

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