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デベロッパー

Lion Studios のメンバーが語る
モバイルゲーム開発参入に向けたアドバイス

by Tomoya Katagi on Sep 22, 2021

競争の激しいモバイルゲーム業界への参入では厳しい状況に直面することもあるため、専門家が考える想定すべき事柄を理解することが重要です。今回の記事では、 Lion Studios のゲーム開発のプロに、新たに業界に参入しようとするデベロッパーが、初めてのモバイルゲームを開発する前に考慮すべき重要なポイントについて尋ねました。Lion Studios のプレジデント Nick Le と、同スタジオでパブリッシングのシニアディレクターを務める Chris Lefebvre が、ハイパーカジュアルゲームのビジネスについて新規参入のデベロッパーが理解すべきこと、そして、競争の激しいモバイル市場で差別化を図り注目を集める方法を議論しました。

 

成功するゲームの開発とマーケティングの秘訣は?

「新規参入のデベロッパーが覚えておくべき最も重要なことは、だれであっても受け身で『注目される』ということはないということです」と、Chris は言います。「一夜にして成功を収めることはできません。ゲーム開発は真剣勝負で、成功にたどり着くまでには多くの失敗が必要です。まずは、1つのゲームのコンセプトを生み出すことです。手ごたえがあるものが生まれれば、同じような成功を積み重ね始めることができます。これがゴールです。1本だけでなく、10本のヒットゲーム開発を目指します」と語りました。

こうした取り組み方でもイノベーションの余地がないわけではないと、 Nick は言います。ただ、優れたゲームを開発し、成功を続けるためには、効率的な開発プロセスへと改善することが重要です。開発の効率性が高まれば、後からゲームのメカニズムの革新に取り組む余地が広がります。ゲームが革新的であれば、より大きく、安定的で持続的な収益を確保するチャンスが高まります。こうしたものをしっかりと生み出すことで、将来的に大きなリスクを取ることができるようになります。

 

どんな種類のゲームを開発すべきか?

「アイデアやクリエイティビティを求めるプロセスでデベロッパーが陥りがちな間違いが、インスピレーションをチャートから得ようとすることです」と Chris は述べ、「目安の1つとするには良いと思いますが、むしろ、チャートにすでに表れているものからさらに飛躍できる方法を探そうとするアプローチを取るべきです。『自らのアイデアは差別化できているか?より優れているか?』と自問します。客観的、主観的な見方がそれぞれあると思いますが、客観的な差別化を図ることが大切です」と語りました。

また、自分がやっていることにワクワクできる方法を探すことも大事だといいます。 Nick は、「コンセプトが自分自身にとって絶対に魅力的である必要はないかもしれませんが、ゲームがチャートにランキングすること、あるいは競争に勝ち抜くことなど、なにか自分が夢中になれる要素をみつけてください。まずはハイパーカジュアルゲームの開発からスタートするのが良いと思います。初心者が開発を始める良い足がかりになるはずです」と語りました。

 

ハイパーカジュアルゲームを最初に開発するのが良い理由とは?

ハイパーカジュアルゲームは、短時間で簡単に遊べるゲームを開発する方法として生まれました。ハイパーカジュアルゲームのフォーマットはデータに基づきます。ハイパーカジュアルゲームは、開発にかかる時間が短く、デベロッパーはスピーディーに開発を学ぶことができると Nick は語ります。一方で、自らのクリエイティビティを発揮することもできるといいます。ハイパーカジュアルゲーム開発の過程では、リリース前も含め、あらゆる段階でデータの計測を行います。プレイアブル動画を作成して新たなプレイヤーのエンゲージメントを計測するなど、ゲームの市場性をテストしたりもします。

「ポートフォリオに複数のタイトルを持てば、より大きな賭けに出るための道を多く確保することができます」と Nick は言い、「ゲームのジャンルというよりはむしろビジネスモデルのように考えると良いと思います。ハイパーカジュアルゲームによって、モバイルゲームのエコシステムのパイが拡大しました。そしてそうした背景から、ハイパーカジュアルゲームはチャートを席巻しています。プレイヤー層も幅広い分野です。モバイルの世界では、巨額の制作費をかけなくても大きなインパクトを生むことができます」と続けました。

Chris は、『 Call of Duty 』のようなゲームは開発に長い時間がかかると述べつつ、「ハイパーカジュアルゲームとコアゲームは互いに相反するわけではありません」と言いました。「コアゲームあるいは自分が楽しんでいるゲームと、自分が開発するゲームを比べ、わずかでもハイパーカジュアルゲームに落とし込めるピースとその方法を探ることが大切です」と Chris は続けました。

 

今後5年間でハイパーカジュアルのジャンルでは何が起こるか?

2021年の流れを踏まえると、業界は、ハイパーカジュアルゲーム内でのソーシャル・インパクトやソーシャル・コネクションをより重視する方向に進むだろうとの見方を Chris は示しました。 Nick は、ハイパーカジュアルとコアのゲームプレイヤーを定義する境界線が今後も一段とあいまいになっていくと考えています。

「ハイパーカジュアルはプレイヤーがもっと深い体験をできるような形に進化していくでしょうし、一方でコアゲームではより軽いバージョンのゲームをユーザーがプレイできるようになるでしょう」と Nick は述べ、「こうした流れが別の革新や新たなサブジャンルの継続的な誕生につながるはずです。ハイパーカジュアルのトリビアゲームやワードゲームなどでこうした流れがすでにみられています」と続けました。

 

失敗を回避するには?

Chris と Nick は、モバイルゲーム開発に失敗はつきもので、それを受け入れることが大事だと言います。動く、開発する、革新を求める、学ぶ、ということを継続するのが大切だと2人は口を揃えました。 Lion Studios は、デベロッパーがスピーディーに開発を進めてゲームをリリースできるよう、このプロセス全体のシームレス化をサポートします。モバイル業界は成長し続けており、新たなゲームが市場に参入して注目される余地はまだ十分にあります。夢見ているだけでは前には進みません。

「ゲームを瞬く間にヒットさせるような特別な秘訣はありませんが、スピーディーに動き、イテレーション(反復)を行い、クリエイティビティを限界まで発揮するための方法はあります」と Chris は言い、「すぐにあきらめてしまわないよう、何度も失敗することを覚悟しておかなければなりません」と述べました。

 

どのようなタイプのゲームにフォーカスすべきか?

「新規に参入しようとするデベロッパーの場合は、比較的単純ですでに広く理解されている、一般的または人気のゲームの仕組みから始めるのが良いと思います。開発プロセスを改善し、最終的にスピーディーにゲームを開発できるようになる足がかりになるはずです」と Nick は述べました。

例えば、ラン系ゲームで自らのゲームのメカニズムを構築する方法があります。ラン系ゲームは、障害物をよけながら走り続けて生き残り、高いスコアを獲得するのをゴールとするハイパーカジュアルゲームです。

ラン系は分かりやすく、ほぼすぐにプレイすることができます。異なるハイパーカジュアルゲームでもゲームのメカニズムが再現しやすく、デベロッパーは積み重ねの開発プロセスを迅速に進め、ゲームタイトルをスピーディーに生み出すことができます。

「ラン系ゲームがうまくいけば、シューティング系のゲームで同じことに挑戦するよりは、成功を再現できる可能性は高まります」と Chris は語りました。

 

パブリッシャーとパートナーシップを組むべき理由とは?

パブリッシャーはマーケティングに伴う課題を解決するサポートを提供します。こうしたサポートがあれば、デベロッパーは、すばらしいゲームを開発するという本来の仕事に集中することができます。

ゲームの質を向上し、差別化を図るうえでの確実なガイダンスを提供する Lion Studios のようなパートナーと手を組むことの重要性を、 Nick は次のように述べます。

「ゲームを素早く改善し、成功の可能性が高く見込める次のアイデアを探るお手伝いをします。 Lion Studios のようなパブリッシャーには、ゲームをしっかりとスケールさせるためのサポートを提供するリソースがあります」。

 

ゲームをリリースしてから次にやるべきことは?

再現性があり、スケーラブルなゲーム開発プロセスを確立し、ゲームをリリースできたとして、次に、成長し続けるモバイル市場で注目されるにはどうすればよいでしょうか?よい仕事をする努力をし続けることが大事だと、 Lion Studios の2人は言います。競争の激しいモバイルゲーム業界で注目を集めるには、根気強さこそがカギなのです。

「とにかく、一晩で何かを成し遂げることはできないということです。自分がやっていることや業界を愛し、人々が楽しんでプレイする本当にすばらしいゲームを生み出すことを愛することです」と Chris は語りました。




Tomoya Katagi|Head of Japan, Business Development